ソフトウェア名:MarvinSketch
ライセンス:商用(スタンドアローンでの利用は無料)
対応OS:クロスプラットフォーム(Java:Windows, Mac, Linux等で使用可能)
最新版:14.10.6.0 2014/1/11リリース (’14/10/7時点)
開発元:ChemAxon
日本語:不可
無料or有料:スタンドアローンでの使用はフリー。
ファイルフォーマット:
・インプット MOL, SDF,RDF,RXN, SMILES, SMARTS, InChI, Mol2, Sybyl,CML, Gaussian Cube, PDB, XYZ, GZIPpend, Peptide Sequence等
・アウトプット MOL, SDF,RDF,RXN, SMILES, SMARTS, InChI, Mol2, Sybyl,CML, Gaussian Cube, PDB, XYZ, GZIPpend, Peptide Sequence, イメージファイル(JPEG, BMP,PNG,PPM,EMF, PDF, SVG, POV-Ray) 等
個人での利用は無料である商用ソフトで、プラットフォームにも依存せず、Windows・Linux・Macでの使用が可能です。ただしフリー版はサポート対象外。
ChemAxon社に登録すればダウンロードして利用でき、初等的な英語が理解できれば登録方法も簡単です。
商用ソフトだけあってその機能は強力なものが多く、通常の化学構造式エディタに備わっている機能に加えて、多彩なファイルフォーマット対応、Reaxysとの連携、Microsoft Officeとの親和性
といった機能を有しています。
・ChemDraw形式ファイル(cdx)の読み込み
・多彩なファイルフォーマット対応
上記にあるように様々なファイルの読み込み・書き込みが可能です。中でも注目すべきは「ChemDraw形式ファイル(cdx)」・「Symyx Draw形式ファイル(skc:今の名前はAccelrys Draw)」に対応している点です。他社商用製品のオリジナルファイル形式に対応している数少ないソフトと言えます。(OpenBabelによるファイル変換はいまいちな気がする)
また画像形式への出力も強力で、通常使用するラスター画像形式(png, jpeg, gif等)とベクター形式(svg, pdf, emf等。現状postscriptは対応していないらしい)にも対応しています。
・Reaxysとの連携
Elsevier社の提供する化合物・反応データベースである「Reaxys」で使用可能です。
Reaxysはここ最近でシェアを伸ばしているらしく、多くの企業・大学等が採用しています。
MarvinSketchを利用していれば、Reaxysを使うことになってもそのインターフェースに戸惑うことがないと思います。
・Microsoft Officeとの親和性
あまり詳しく調べていませんが、MS Officeとの親和性もあるらしく、Officeソフトで直接編集可能?だそうです。
これは新しいChemDrawにもある機能ですね。こういう機能は企業が開発するソフトの強いところ。
良いことばかり書いてきましたが、あえてケチをつけるのであれば日本語が使えないという点でしょうか。
このことは他の無料で使えるソフトもほぼ海外で開発されているので同様なのですが。
また当然基本的には商用製品(プロプライエタリ)なので、そのライセンス内容は企業の方針によって今後変更しうることは常に念頭に置いておかなければいけません。
オープンソースのソフトならば、そこからフォークされて派生ソフトが開発されたり、有志による日本語対応もされる可能性もありますが、基本的にそういったことは起こらないでしょう。
まとめ:個人で使うのであればかなり強力なので非常にオススメできるソフト。
ただし使用するには初等的な英語が使えた方が良いということと、今後ずっと無料で使用し続けられるかは不明。